新医協 薬学領域部会4月例会(4/18)報告 

 

 

 

新年度がスタートし、新たに現役薬剤師も加わり参加者10名で、調剤報酬改定内容、セルフメディケーションフォーラム報告、HPVワクチン関連資料の評価など、盛りだくさんの内容を学び討論しました。とりわけ、HPVワクチン接種を推進する立場の声が大きくなっている事態に、我々はどのような立場で発信して行くべきか悩んでいます。

 

この状況に、岩倉会長が書かれた「ワクチンを今日の人権意識でとらえる」文案で「新医協は、難解な医学情報を国民に分かり易く正確に伝える翻訳者として、医療に於ける民主主義の確立をめざして歩み続ける」の記述にみなさん賛同し、今後の方向性を確認しました。また、薬学領域の検討内容を知らせるためにも今後、新医協新聞に「くすり一口メモ」など載せてゆきたいと思います。

 

 

 

1.報告の概要

 

(1)フリードリッヒ世(ローマ皇帝、実際はシチリア王国に常住)を考察する(田中報告)

 

フリードリッヒ世は、毒殺を恐れ、主治医の処方した薬を別の者にチェックさせ、医薬分業を実施したと言われています(君主による法治国家を目指した「メルフィ憲章」を制定し、その中に医師と薬師を分離した)。

 

一方、薬関係者以外の人にとっては、フリードリッヒ世は「戦わず交渉によって和平協定をもたらし、エルサレムに10年間も平和をもたらしたことに注目が集まり評価されてきているとの興味深い報告が紹介されました。 

 

(2)2018年診療報酬改定の特徴(田中報告)

 

 改定内容の柱は、過去、現在、未来の過程の流れで見ること、財源なし、地域包括推進、報酬に見合った役割への批判(薬局バッシング)などの課題・問題を関連させることです。薬価改定(特に保険薬局での影響大)と大手調剤の報酬減で作り出した財源で、医科:調剤の配分比率10.3を堅持し調剤は僅かなプラス(0.19%、74億)となりました(詳細は当日資料参照)。薬剤管理官は、「患者のための薬局ビジョン」推進に対応する内容で、2年後に向けて薬局機能の見える化の取り組みで実積を付けて欲しいと述べています。

 

(3)セルフメディケーション(SM)推進協議会フォーラム参加報告(立岡)

 

  日本再興戦略にみる健康寿命延長に、自己健康管理を進める一つとしてSMが推進され、ネット販売を広げるために「医薬品の区分け」がされてきた経過があります。この推進力を

 

狭義のOTC使用としてではなく、本来のSMの基本(食事・運動・生活習慣の改善)をとらえ、

 

  実施することがSMの効用(病気予防、医療・介護の効率化、財政負担の軽減)をもたらします。協議会は、そのために国民にSMを教育啓蒙する人を育てることを主旨に15年前に設立され、学会・フォーラムが行われてきました。今回は、会長代理、行政担当、開業医、大学教育者、薬剤師会、大手薬局企業の6名からの報告とポスター15演題が掲示されました。

 

SM推進の賛否がある中で、SMのとらえ方の一考となりました。

 

 

 

2.討 論

 

 (1)HPVワクチンをめぐって

 

  1)HPVワクチンをめぐる情報収集とその評価

 

    ①から⑤の資料を不消化ながら学習した。ワクチン推進を後押しする多量情報に評価が追いつかず、一般の判断が推進者側の情報に左右されている現状を知りました。    

 

①「日本におけるHPVワクチン有害反応の教訓:医療倫理学的観点」(別府ら)

 

    ―薬害オンブズパースン会議メンバーによる参考文献数65編に基づく難解な内容ですが、

 

現段階で信頼できる情報源と言えます。HPVワクチンの有効性・安全性をめぐる議論での欠陥点を3点指摘―自己免疫疾患の遺伝的な基本の未考慮、HPVにある免疫回避の機序を無視、ワクチン効果は限定的。その他、ワクチン開発・宣伝・販売の過程の諸問題、有害事象のモニタリングや疫学的検証に関する遭遇する落とし穴に関して検討されています。 

 

②「HPVワクチン名古屋市調査論文出版」(寺岡)

 

―寺岡氏から、ワクチンと症状は関係ないと英文誌に掲載されたが、「健康者接種バイアス」の影響を超えてワクチンの害作用が明らかだと説明され、加えて観察研究に必要な統計学的な知識が必要と報告されました。

 

   ③HPVワクチン推進の村中璃子氏発言「10年間で10万個の子宮が失われる」の詐欺的手法を明らかにする情報(出典:はたかのブログ)

 

   ④下野新聞報道

 

3/24開催、国際シンポ「世界のHPVワクチン被害は今」の記事。

 

    英国、スペイン、アイルランド、コロンビアの4カ国の被害者団体の代表から、 

 

    日本と同様に苦しんでいる少女の実態や、副反応を巡る国や医療界との対立の状況が報告されたことに関して報道されています。このシンポジウムを取り上げた報道機関は少なかったようです。

 

   ⑤HPVワクチン副反応被害学習会資料 ―早稲田大学現代司法研究会編

 

2)HPVワクチンをめぐる異論と我々の立場について

 

 新医協機関誌に投稿された、細山公子医師の「HPVワクチンについて今思っていること」・・新医協の立ち位置が問われる。苦しんでいる患者に寄り添うことと、HPVワクチンの効果を否定することは、同じなのか、違うことなのか・・・。

 

そこで、我々はどの立場で発信すべきかを考える上で、岩倉政城新医協会長の

 

「医療における民主主義の実現(案)―ワクチンを今日の人権意識でとらえる」

 

を参考に論議しました(この文書は、確認が取れれば新医協機関誌に掲載されるとのことです)。この文内容から、ポリオワクチン闘争から学ぶ、人権意識の高まりに見合う医療、医学・医療情報の不平等性の克服と新医協のあゆみを再確認しました。

 

 

 

その他の話題

 

*「手のふるえ」が出る相談事例―お薬手帳記録から複数の診療科からの処方薬による相互作用の可能性あり(オルメサルタンODと炭酸リチウム)

 

*食べ物通信 2017.12―被害続出 「避妊パッチ」「避妊薬」、

 

コラムー建材にホウ酸処理、揮発性なく安心とあるが?

 

*医療経済4.15.2018―総合的対策が求められるBZ系薬剤の使用管理、

 

処方箋は誰のものか(処方箋に疾患名記載すべきでは?)

 

ご案内

 

HPVワクチン被害を考える 5/20 午後 やまなしプラザ・オープンスクエア東面

 

HPVワクチン東京訴訟第6回期日のご案内 5/30 東京地方裁判所

 

*新薬学研究者技術者集団2018年度総会・講演会5/27 京都社会福祉会館

 

   講演:どう探す?何を伝える?医薬品情報 医薬ジャーナリスト 北澤京子

 

   (北澤氏はchoosing wisely 賢く選ぼうキャンペンに関わっている)

 


2017年6月定例会報告

 

日時:2017614日(水)18:3020:30

1.話題提供

1)報告「コンパッショネット・ユース制度の各国の運用状況と今後の展望について」(寺岡)

   東大大学院医学系研究科臨床試験データ管理学講座主催勉強会での報告より

  ・日本ではコンパッショネット・ユースが拡大治験としてスタート、現在対象薬は6品目。イレッサが発売前の使用で副作用が問題となった経緯があり、安全性への対処、費用問題等について討論した。

(2)尹東柱(ユンドンジュ)関連記事紹介、書籍の紹介(橋本)

  ・共謀罪が成立されんとする中、歴史の教訓として情報共有した。

(3)イレッサ薬害DVD視聴会報告(小池)

  レギュラトリー・サイエンスの薬害教育DVDシリーズとして「イレッサ薬害」が完成し、試写会が526日に開催された。国の責任逃れや、医師の「医師は添付文書を殆ど読んでいない」と開き直るなどのインタビュー内容等あり。それらも含め、薬害の学習・討論を深める上で教材として活用できるが、45,000円!企業向けか?!

(4)活動報告(文書報告)(立岡)

(5)新医協創立70周年記念 岩倉政城会長新医協を語る(2017/5/26)報告(宮地)

  ・研究者・科学者として・・・イタイイタイ病調査、大洲騒動(種痘禍と漢方医の排斥問題)、

   「ニフェジピンによる発がんと歯肉増殖」、保育園園長として

    ・新医協会員として・・・ポリオ闘争 名称問題 福島 放射線被害問題

    会長の信念・・・「専門家が不要になるまで、知識・情報を普及し、行動する」

    ・記念講演会のビデオあり。機関紙でも報告記事掲載する。

(6)HPVワクチン被害訴訟への支援呼びかけ

   ・支援連絡会準備会 6/16(金)、7/18(火)18:30~ 中央大学法学部記念館(御茶ノ水)

   ・次回東京裁判期日 823日(水)15:00

              1122日(水)

   ・それぞれのところで、小規模学習会に取り組みましょう!

(7)薬事日報記事「チョット言わせて-医師と薬局社長の主従関係」(寺岡)

    記事紹介

2. シグマ東京ミニゼミ開催について

・シグマの今年の取り組みとして、ミニゼミを東京でも開催することを目指すこととなった。

 学生(奨学生等)を対象に23月に何らかの企画を具体化することとなった(担当:伊藤・木内)

3.全国研究集会に向けて

・日程:1118日(土)総会  19日(日)PM 研究集会

次回定例会日程:830日(水)18:30

 

2017年2月定例会報告

 日時:2017年2月8日(水)

 

話題提供

  1. 薬剤師の存在意義が問われている-論点整理(寺岡)

  2. ポリファーマシーについて(宮地)

  3. ドキュメンタリー映画「薬は誰のものか」報告(宮地)

  4. 治安維持法下で獄死した韓国の国民的詩人ユン・ドンジュの映画上映の案内(橋本)

  5. 連載「高齢者とくすり」最終回原稿報告。本の紹介。週刊誌情報の反応について(立岡)

報告ディスカッション

1.薬剤師の存在意義が問われている-論点整理(寺岡)

(1)薬剤師の存在意義、社会的使命を薬剤師自身が認識していない

    薬剤師の使命①ファーマシューティカルケア

             ②医薬品の合理的使用

(2)薬剤師は調剤に追われて忙しい、考える時間がない

    調剤に追われて忙しいにも関わらず、改善に取り組んでいない。

    改革:テクニシャンの導入、箱出し調剤、フォーミュラリー作成等

(3)自律的に行動できない

(4)医薬分業が機能していない

    医療機関は多様化し、機能分化の方向に進んでいるが、薬局は多様性を認めようとしない。

    門内薬局の流れは必然。

    医療依存度の高い患者に対し、病院薬剤部と保険薬局の密接な連携緒が必要。

    薬薬連携を進める「ランチャー薬局」として「門内薬局」の存在が必要

  <ディスカッション>

  ①「門内薬局」の現状は、単に病院敷地内にチェーン薬局が調剤薬局を開局することが目的で、薬薬連携や「ラ 

 ンチャー薬局」のような機能は想定されていない。そのような門内薬局は設置されるべきではないのではないか。

  ②現状はそうであっても、今後「ランチャー薬局」は必然であり、正しい方向性を目指すべきである。職域分業が   

 重要であり、院内、門内、門前等の立地の形式は多様であって良い。

 

2.ポリファーマシーについて(宮地)

 情報紹介:平井みどり「ポリファーマシーの問題点と対応」日薬誌Vol.69.No.22019

        木村丈司「ポリファーマシーに向けた薬剤師の取り組み」都薬誌Vol.39.No.22019

  ・平井氏はポリファーマシーの正確な言葉は「poly-prescription」ではないかと指摘。

   「処方管理」業務の実践が、入院のみならず、保険薬局でも実施される必要がある

  指標:Beers 基準、STOPP 基準、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」

 

3.ドキュメンタリー映画「薬は誰のものか」報告(宮地)

  201722日ユーロライフ(渋谷)にてNPO「アジア太平洋資料センター(PAPC)」主催上映

  副題「エイズ治療薬と大企業の特許権」が示すように、治療アクセスと知的財産権の闘いを描いた映画。人の命を救うという薬の目的が忘れ去られ、利益第一主義、子どもの多くの命より優先する資本主義社会をまざまざと見せつけられた。公的存在であるべき「薬」の特許権は今のままでよいのかを考えさせられた。他方、この映画の日本語訳版を作成し、上映を実現させたNPOや、広い支援者の存在を知り、利益第一主義の製薬企業や「薬」の問題を追及することの意義を再確認した。

  上映会の開催呼びかけ:DVD代金3,000円+上映料110,000

 

4.治安維持法下で獄死した韓国の国民的詩人ユン・ドンジュの映画上映の案内(橋本)

  太平洋戦争下、治安維持法違反の疑いで逮捕され獄死した詩人尹東柱(ユン・ドンジュ、19171945)の生誕100年を記念して、211日(土)に同志社大学(京都市)で献花式と上映会が、219日(日)には東京・池袋の立教大学で追悼礼拝と「尹東柱物語―空と風と星と詩」の公演が行われることが橋本氏から紹介された。

 

5.書籍の紹介

〇高橋久仁子著「健康食品」ウソ・ホント:サプリメントの効能・効果について科学的根拠を検証し、効かないだけでなく、有害であることを読者に明らかにしようとした力作

〇鶴蒔靖夫著「目覚めよ、薬剤師たち!」:副題「地域医療を支える薬剤師の使命」、薬剤師の意識改革の必要性を説く

〇週刊誌情報を考える

・佐藤健太郎氏:創薬にかかわってきた立場から、「医薬」がたたかれることはつらい

・冨家 孝:この種の報道がベストセラーになったのは、医者任せ、病院任せではダメだと多くが気づくようになったから、クスリとはなにか、3つの点を認識すべき

①どんなクスリでも副作用がある ②クスリは疾患そのものを完治させるものではない ③クスリの開発・生産は製薬会社による厳然たるビジネス

この3つのことを踏まえた上で週刊誌記事が提起した問題を考えるべき

〇雑誌連載「高齢者とくすり」の原稿が完了。内容を出版するという話があり、内容を補足して新医協薬学領域として出版することの提案があり、議題として取り上げ討議した。

 


2016年12月定例会報告

  日時:2016129日(金)18:3021:00

 会場:新医協事務局

 話題提供:

1.プラセボ製薬について(寺岡)

2.未承認薬へのアクセスに関する制度化について(寺岡)

3.南京大虐殺に次ぐ廠窖(しょうこう)事件~廠窖(湖南省)訪問の報告(橋本)

4.「子宮頸がん」ワクチン被害の諸問題~国民の医薬シンポジウム報告(宮地)

5.日本医事法学会~ワークショップ「医事法と経済」参加報告(宮地)

6.全国研究集会分科会「薬は誰のもの?」を振り返って

 

 1.    プラセボ製薬について(寺岡)

〇有用性が高いと考えるプラセボを医療や介護で活用できないだろうかとの問題意識あり

 プラセボ製薬株式会社(https://placebo.co.jp)を訪問する。

 「プラセプラス200」(2000粒¥1,280)を食品として介護用に販売している

 医療用プラセボ販売サイト「サティスフェイク」株式会社メトグリーン(薬局法人)https://satisfake.com/

 を紹介された。東京・霞が関 合同庁舎内にあり

 「サティスフェイク01」(500錠入り2,400円,1,000錠入り3,800円)

 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団より技術移転事業として実施

 医療機関にのみ注文販売。医師から、食品として指示書の交付にて服用を指示する。

 

2.    未承認/適応外医薬品のコンパッショネート使用(CU)制度(寺岡)

〇日本肉腫学会/日本臨床肉腫学会サテライトシンポジウムにて講演

日本は、2016125日よりCU制度(「拡大治験」=「人道的見地から実施される治験」)を導入

国内開発の最終段階にある治験薬が対象、実施施設は主たる治験の実施医療機関、治験実施医師による。

費用は患者に求めることが可能、安全性に関しては健康医被害補償のための保険等の措置が必要これまでは、未承認薬は「個人輸入」に頼らざるを得なかったことから、日本版CU制度の一歩であるが、法制化に至っていない。薬機法に未承認薬の規制を取り込むことが今後の方向と考える。

 

3.    南京大虐殺に次ぐ廠窖(しょうこう)事件~廠窖(湖南省)訪問の報告(橋本)

〇廠窖虐殺事件の現地訪問旅行(「大地の根」主催)の報告

廠窖虐殺事件は、日本軍が194359日~11日に湖南省南県廠窖にて長江の水運確保のため国民党軍をせん滅する過程で民間人も含め無差別に虐殺、3万人以上に人が死亡した事件。農村で起きた事件で、外国人目撃者もなく中国国内でもほとんど知られていなかった。

20159月に再オープンした「廠窖惨案遇難記念館」を訪問、館長、学芸員、生存者の方々のお話を聞き、交流した。日中友好協会新聞(201465日)や赤旗(2015105日)で関連記事あり。

 

4.「子宮頸がん」ワクチン被害の諸問題~国民の医薬シンポジウム報告(宮地)

20161127日(日)、全労連会館2階ホールにて、120名の参加にて開催

〇午前の部: 記念講演「子宮頸がんワクチン」接種被害をめぐる医学的諸問題
横田 俊平氏(横浜市大名誉教授・小児科医)が、被害者48名の臨床症状調査と神経学的分析
て、病巣部が視床、視床下部にあることが判明したこと、モデルマウスにガーダシルを投与して臨床症状の再現に成功した(Nature誌電子版掲載)ことを報告され、厚労省副作用検討会がワクチンの副反応として認めていない現状を批判した。

〇午後の部: シンポジウム「子宮頸がんワクチン」接種被害をめぐる諸問題

 水口弁護士(全国HPV訴訟弁護団共同代表)が、「HPVワクチン訴訟がめざすもの」と題して、提訴までの経緯、提訴内容を報告した。その後、全国原告代表の酒井七海さんが副反応被害の発症の経緯、脳機能障害と車椅子生活を余儀なくされ、介護者なしには生活できない日常を紹介、被害の責任を明らかにし、原因、治療法の解明、生涯にわたる医療・生活の保障を強く求めると訴えられた。

 打出産婦人科医師からは、「子宮頸がんワクチン接種推進論者への反論」と題して、子宮頸がんの発症、治療、予後の特徴、HPVワクチンが長期にわたって強力な免疫賦活作用を維持するよう設計されていること、HPVがヒトタンパクと相同性を有していること等が判明していることが報告された。

 討論では、厚労省はあくまで接種後1カ月以内の注射に伴う症状以外は副作用と認めておらず、被害救済も限定的であること、そのため指定医療機関も副作用として対応せず、心身の反応、詐病としてたらい回しされている現状、接種者アンケート調査を実施した結果、高頻度に副作用が現れているが判明したこと、医療機関が患者に寄り添う姿勢で対応することの重要性等について活発に討論された。今後、国に全接種者調査を求めていくこと、現場でもアンケート調査に取り組むこと、訴訟に向けた学習会の開催等を意思統一した。

 

 5.   日本医事法学会全国研究会ワークショップ「医事法と経済」参加報告(宮地)

〇超高価薬が社会的話題になっている中、統制経済下にある医療と自由経済下にある医薬品・医療機器の間で、法的規制がどのように可能かという視点から第1回ワークショップが開催された。

 日本の深刻な財政事情の中、真っ先に医療・介護分野の削減が予想されるが、負担率のアップ、医薬品の適応制限等の予想される対応をどう考えるか。

 

 6.    全国研究集会分科会「薬は誰のもの?」を振り返って

 高齢者医療の現状、多剤投与の現状がそれぞれの角度から報告され、患者さんの主体性が愚かさにされている問題点が集約され、「薬は誰のもの?」のテーマにふさわしい議論ができた。

 今後、患者の問題解決に貢献するファーマシューティカルケアーの実践を目指すことの重要性が確認された。